5月15日から16日にかけて、警視庁・検察庁は、法政大学の学生とOBらあわせて11名を次々に逮捕しました。逮捕容疑は「暴力行為等処罰に関する法律」違反です。6月5日、4名が釈放され、現在は、文化連盟の正副委員長と企画局長、全学連(中核派系)の正副委員長ら計7名が、同じ容疑などで勾留され続けています。
私たちは、勾留されている学生らの即時釈放を求めます。そして、「法大5月事件を支える会」(仮称)の結成を呼びかけます。
5月15日から今日までの約3週間、警視庁・検察庁は、家宅捜索令状と身体捜索令状を濫用して被疑者の友人らを圧迫し、脅迫的な仕方で任意同行と事情聴取を強要しています。違法な、あるいは違法性の疑いの高い捜査に、私たち市民監視団は厳重な抗議を表明します。また、学生たちがさらされている人権侵害に目を向けず事態を放置している法政大学当局に、強く抗議します。
私たち法大市民監視団はこれまで、文化連盟と全学連(中核派系)による「法大闘争」を支援してきました。今回の事態に至るまで学生たちと接するなかで、また、警察の人権侵害と対峙するなかで、この間の「法大闘争」が抱えるいくつかの問題点と課題をみることができました。以下に列挙します。
1、学内外の支持者を離れた内向的・一元的な運動づくり
2、運動内民主主義の喪失、あるいは放棄
3、革共同(革命的共産主義者同盟全国委員会)への過度の依存と学生の無力化
4、法大問題の論点の未整理
私たち市民監視団は、文化連盟と全学連(中核派系)による「法大闘争」を、批判的かつ主体的に総括し、ある部分において訣別することを表明します。そのうえで、法政大学の学生がおかれた困難な状況を理解し、学生が学生自身の手で自らの権利と尊厳を回復できるよう、あらたな状況を構築する必要があると考えています。そこで、以下の二つを提起します。
第一に、警視庁・検察庁が学生に対して行っている違法捜査を止めなくてはなりません。大学と警察が癒着して学生を踏みにじっている状況を、さまざまな方法で暴露し、弾劾し、訴追していかなくてはなりません。
第二に、さまざまな立場の人びとが、学内外を横断して意見を交換する場をもつことを提案します。学生、OB・OG、教職員、保護者、市民などが、それぞれに違った仕方で、法政大学の現状を憂慮しています。「法大闘争」の一元化されてしまった論理を解除し、忘れられてしまったさまざまな声を掘り起こし、力を与え、 運動の多元的性格を回復しなければなりません。社会が学生に関心をもたず、また、学生に関心を払わないことが美徳のようになってしまった時代に、もう一度、大学と大学生について、社会的な議論を喚起していきましょう。
最後に、困難さのなかで沈黙し、あるいは沈黙を強いられている法政大学の学生諸君へ。諸君が、自らの創意に基づいて集まりをもち、行動をおこすことを期待します。諸君がなにかわずかでも動きをおこそうとするとき、私たちはそれを無条件に擁護し、支援する用意があることを表明します。
2009年6月10日 文責・矢部史郎(法大市民監視団)
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