2009年6月19日金曜日

[声明]A君・B君の混乱について

6月9日、ある弁護士事務所で起きた混乱について説明します。

5月15日の一斉逮捕以降、警視庁は、家宅捜索や身体捜索、
強制的な「任意提出」によって、被疑者の友人の所持品を押収しています。
こうした捜査は、合理的根拠の乏しい、違法性の疑いの高い捜査です。
そこで、捜索の対象となった人びとが集まり、どのような抗議ができるか、
どのような抗議をするべきか、弁護士と相談することになりました。
この日参加した人びとの多くは、「準抗告」などの手続きについて説明を受け、
具体的な作業をすすめるために集まっていました。

しかし、参加者のうちA君とB君の2名は、
こうした抗議活動をすること自体に異論があったようです。
A君とB君は、弁護士に論争をしかけて、挑発的な議論で参加者を威嚇し、
その結果この作業は中断されました。

誰であれ、異論を表明する権利があり、議論の機会はつねに開かれています。
しかし、今回の混濁した議論が、結果として誰を挫き、誰を利するものであるか、
A君・B君の両君には深く考えてもらいたい。

人びとが団結して闘おうとするとき、みなが力づけ合うように、
それぞれの意気を挫かないように、お互いに支え合って行動しているのです。
A君・B君には、そうした団結のための同志的配慮というものを学んでほしいと思います。

さらに加えれば、両君はマル学同中核派の同盟員なのだから、
諸君への反感は中核派という組織全体への反感となるかもしれない。
そうなれば、学内外を貫く統一した救援運動は実現できないかもしれない。

これは警告です。

A君・B君は横着な態度をあらため、
ともに闘うべき学友たちおよび学内外の支持者たちと、真摯に向き合いなさい。
打撃を与えるべき当面の敵は警察・検察であることを、見失ってはなりません。

2009年6月19日
矢部史郎(法大市民監視団)

2009年6月10日水曜日

[声明]法政大学問題に関する所感と提起

 5月15日から16日にかけて、警視庁・検察庁は、法政大学の学生とOBらあわせて11名を次々に逮捕しました。逮捕容疑は「暴力行為等処罰に関する法律」違反です。6月5日、4名が釈放され、現在は、文化連盟の正副委員長と企画局長、全学連(中核派系)の正副委員長ら計7名が、同じ容疑などで勾留され続けています。

 私たちは、勾留されている学生らの即時釈放を求めます。そして、「法大5月事件を支える会」(仮称)の結成を呼びかけます。



 5月15日から今日までの約3週間、警視庁・検察庁は、家宅捜索令状と身体捜索令状を濫用して被疑者の友人らを圧迫し、脅迫的な仕方で任意同行と事情聴取を強要しています。違法な、あるいは違法性の疑いの高い捜査に、私たち市民監視団は厳重な抗議を表明します。また、学生たちがさらされている人権侵害に目を向けず事態を放置している法政大学当局に、強く抗議します。



 私たち法大市民監視団はこれまで、文化連盟と全学連(中核派系)による「法大闘争」を支援してきました。今回の事態に至るまで学生たちと接するなかで、また、警察の人権侵害と対峙するなかで、この間の「法大闘争」が抱えるいくつかの問題点と課題をみることができました。以下に列挙します。



1、学内外の支持者を離れた内向的・一元的な運動づくり

2、運動内民主主義の喪失、あるいは放棄

3、革共同(革命的共産主義者同盟全国委員会)への過度の依存と学生の無力化

4、法大問題の論点の未整理



 私たち市民監視団は、文化連盟と全学連(中核派系)による「法大闘争」を、批判的かつ主体的に総括し、ある部分において訣別することを表明します。そのうえで、法政大学の学生がおかれた困難な状況を理解し、学生が学生自身の手で自らの権利と尊厳を回復できるよう、あらたな状況を構築する必要があると考えています。そこで、以下の二つを提起します。



 第一に、警視庁・検察庁が学生に対して行っている違法捜査を止めなくてはなりません。大学と警察が癒着して学生を踏みにじっている状況を、さまざまな方法で暴露し、弾劾し、訴追していかなくてはなりません。

 第二に、さまざまな立場の人びとが、学内外を横断して意見を交換する場をもつことを提案します。学生、OB・OG、教職員、保護者、市民などが、それぞれに違った仕方で、法政大学の現状を憂慮しています。「法大闘争」の一元化されてしまった論理を解除し、忘れられてしまったさまざまな声を掘り起こし、力を与え、 運動の多元的性格を回復しなければなりません。社会が学生に関心をもたず、また、学生に関心を払わないことが美徳のようになってしまった時代に、もう一度、大学と大学生について、社会的な議論を喚起していきましょう。



 最後に、困難さのなかで沈黙し、あるいは沈黙を強いられている法政大学の学生諸君へ。諸君が、自らの創意に基づいて集まりをもち、行動をおこすことを期待します。諸君がなにかわずかでも動きをおこそうとするとき、私たちはそれを無条件に擁護し、支援する用意があることを表明します。



2009年6月10日  文責・矢部史郎(法大市民監視団)


2007年11月30日金曜日

[雑感]法大生の政治、表現活動弾圧の背景

高橋です。昨日法大生の方々と交流する機会を持つことが出来ました。非常に有意義な時間を過ごすことが出来たことに、この場を借りてお礼申し上げます。
さて、法大における学生の諸権利のさまざまな制限の背景には、私の仮説ですが「教育格差」が相当に深刻な問題としてあるような気がしてなりません。教育格差の拡大再生産機構として大学が再編強化されているとき、それに乗らないと大学自体の生き残りが成り立たなくなる。市場の論理が教育現場に貫徹されている状況の素直な反映が法大における異常な弾圧ではないのかと思います。
教育現場の反動化や格差社会に反対する良心的な教職員が法政大学には今現在も多数存在します。私たちは、そのような教職員とともに、この法政大学における学生の諸権利に対する制限の問題を捉えていく必要があると思います。
労働格差と教育格差という下向きの平準化に抗する闘いを広範な共同において成立させる。このことが今問われています。
http://www.asahi-net.or.jp/~fq3k-hsmt/pap2/ineq.PDF(静岡大学助教授の橋口健二さんの作文)
http://www.stop-ner.jp/index.html(教育基本法「改正」情報センター)

全ての教職員のみなさん!法大生の諸権利を抑圧するあらゆる政策に反対しましょう!教育格差は労働格差を生み出します。そして労働格差は教育格差を生み出します。どちらにもNONを!良心を今こそ発揮しましょう!全ての学生のみなさん!わたしたちは全力を挙げてみなさんの諸権利の確立のために奮闘します!社会は学生の諸権利の擁護すべきであるし、またしなければなりません。私たちの明日のために!みなさんも大変でしょうが頑張ってください。連絡くれれば応援します!ではまた!

2007年10月27日土曜日

[参考資料]先日地裁前で配布したビラを掲載します。

高橋です。先日地裁前で配布したビラを掲載します。作成者はS氏。シンプルですが、それゆえ、この裁判の問題性が鮮やかに浮かび上がると思います。長文ですがぜひご一読を。ちなみに先日の裁判の傍聴記も早急にUPする予定です。ではまた。


裁判官は無実の新井君、
友部君を即時釈放せよ!
本日、13時半(傍聴抽選券配布12時半)より、公判があります。
●○東京地裁刑事第18部の裁判官に呼びかけます
 7月26日に行なわれた第一回公判から現在までに、計4回の公判が行なわれてきた。その間で証明されてきた事は、今回の事件が法政大学当局・公安警察・検察によって如何にして、でっち上げられてきたのかということではなかったか。今回の弾圧が思想・良心の自由や表現の自由などの憲法上、認められなければならない権利を蹂躙し、法政大学当局・公安警察・検察の考える事件などそもそもなかったことはもはや明らかである。新井君、友部君の拘留は逮捕された4月27日から数えると既に六ヶ月近くに渡っている。「暴行罪」でこれだけの長期拘留は異常とも言える。これ以上の拘留は被告人への人権上の問題だけにとどまらず、裁判所が法政大学当局・公安警察・検察と一体となり弾圧に加わっているのではないかという疑いを発生させる事につながると考える。東京地裁刑事第18部の裁判官の方々は司法をつかさどる者として、弾圧の主体となることなく、市民的な良識の下で新井君・友部君の保釈申請を認めるように要望する。
●○市民の方々に呼びかけます
 法政大学では昨年より、表現の自由・思想・良心の自由など、市民社会を構成する上で基本となる権利を奪い、公安警察と共に市民社会の破壊行為に加担して来ました。事の発端は昨年に法政大学当局が一方的に、大学構内での立て看板についての規制を行った事に始まります。その後、3月14日に非暴力的な抗議デモを行なった学生達に対して、公安警察と連絡を取り合い、大学構内に大量の警察官を導入して逮捕に踏み切りました。さらに、逮捕された学生に対しては、不起訴になったにもかかわらず、大学当局は退学処分に踏み切ったのです。そして、退学処分に抗議する学生に対して、公安警察と密接に連携して次々と大学構内への公安警察侵入を認め、逮捕してきました。これまでの逮捕人数は既に述べ45人に渡ります。そして、今年の4月27日についに暴行の事実をでっち上げてまで新井君・友部君を逮捕し起訴に踏み切りました。
 ここまでの流れの中で、いくつもの問題点が浮かび上がってきます。大学とは学問の自由の観点から表現の自由・思想良心の自由を最大限に認めていかなければなりません。そして、大学の自治という観点からも警察を大学構内に導入するにはとりわけ慎重な判断が求められます。にもかかわらず、学生の自由を奪い、非暴力的な抗議行動を警察の導入によって抑えるというやり方は、大学機関としての能力を失っています。そして、さらに言えばこの数年の公安警察によるビラ巻きやデモ参加者への逮捕に密接につながっており、市民社会を破壊する行為に加担しているとも言えるのではないでしょうか。
 これまでの裁判で、検察側が「暴行」の証拠として法政大学当局の人間が撮影したビデオが提出されましたが、第三者が偏りのない目でビデオを見た時、「暴行」されているのは明らかに逮捕された友部君であり、被害者としか思えない内容でした。もはや事件として成立していないのは明らかな状況なのです。にもかかわらず、「暴行罪」で6ヶ月近く拘留されています。
 市民の皆さん。本日の裁判所では、新井くん、友部君が行なった「暴行」により「被害」を受けたと主張する大学側の証人が検察側に尋問される予定です。加害を「被害」に摩り替え、「暴行」を「捏造」することを許してはなりません。衆人の監視により、真実を追求する目により、歴史の偽造を粉砕しましょう!裁判にご注目ください!
法政市民監視団
(団長 矢部史郎)
法政市民監視団のブログ  http://cmwhu2007.blogspot.com/
法政市民監視団への連絡先 cmwhu2007@gmail.com
(関連情報参照先)
○ 3.14法大弾圧を許さない法大生の会 http://hosei29.noblog.net/blog/
○ 法政大学統一OB会 http://www.minimal-global.net/united_ob/
○ 3.14法大弾圧救援会 http://www.geocities.co.jp/houdaikyuuenkai/
○ 法政大学に抗議する有志一同 http://www.geocities.jp/housei_kougi/
○ YOUTUBEにUPされた3.14デモ隊逮捕の映像 http://jp.youtube.com/watch?v=0_1tzKTxMaE
(抗議と要請先)
○ 法政大学 学生部 TEL:03-3264-9476 FAX:03-3264-9598 mail:gakusei@hosei.ac.jp
○ 法政大学 総長室 TEL:03-3264-9420
○ 警視庁公安一課  TEL:03-3591-4321
○ 東京地方検察庁 TEL:03-3592-5611
○ 東京地方裁判所  TEL:03-3581-5411

2007年10月18日木曜日

[声明]10.17弾圧についての声明

声明

 本日101712時前後、法政大学市ヶ谷キャンパスにおいて、法政大学による学生への一連の人権抑圧と、その延長線上にある現在進行中の「暴行」容疑に関する裁判(新井くん、友部くんの裁判です)について、広く知る権利を有する学生と討論活動を行なっていた3名が「建造物侵入」を口実として不当にも逮捕される事態が発生した。

私たち法大市民監視団は、今回の事態を衝撃をもって受けとめ、かかる異常事態の早期解決を強く求めるとともに、この事態を広く社会に知らしめ、世論の形成を図るために以下声明を発する。

 今回、法政大学でおきた逮捕事件は、法政大学による学生への一連の人権抑圧活動の許されざる蛮行の上塗りである。われわれはこの破廉恥極まりない、人間性に対する、最低限の尊厳すら踏みにじる蛮行を絶対に許すことはできない。

 まずもって我々が怒りを抑えることが出来ないのは、今回の逮捕が、クラス討論への弾圧であるという事実である。わたしたちの知るかぎりの情報では、3限の冒頭、クラス討論を行なっていた3名の学友に学生部職員が襲い掛かりクラス討論を破壊しようとし、討論に参加していた学生にたいしても「中核派のようなチンピラとつるむお前はチンピラである」などと暴言を吐いたとのことである。下劣極まりない、まことに嘆かわしい発言である。その後、クラス討論が終了した後、学生部職員が一階に強制的に連行し、待ち構えていた公安警察10数名に3名を拘束させたとのことである(以上は関係者からの聞き取りおよび「3.14法大弾圧を許さない法大生の会」のホームページhttp://hosei29.noblog.net/blog/index.htmlより収拾した情報にもとづく)。

そもそも、立て看板設置の事前検閲の可否をめぐる学生と大学当局の対立を、公安警察の学内導入によって暴力的、反知性的に抹殺せんとした法政大学において、その延長線上にある裁判について学生と討論することは、それをする側にとっては無論のこと、問題の性質からいって、される側にとっても重要な、かつ当然な行為である。ことは学生の諸権利と学籍、そして人権にかかわる重大な事柄である。その行為をもって「建造物侵入」とは笑止千万である。しかし、この逮捕事件は現実の事態であり、それも公安警察によってなされたことからして、一般的な事件とは一線を画する。一般的に公安事件の場合、その事件性の可否というよりも、特殊公安上の必要性から、その被疑者にたいする取り調べが行なわれることが多い。具体的には、宣伝活動以外の裁判支援活動、法政大学の一連の抑圧的政策と措置への反対活動、などの諸活動への思想的介入であり、運動をするなという転向強要も含まれる。

このように、今回の逮捕事件が、「建造物侵入」という、おおよそその実態からかけ離れた行為にたいする逮捕であり、また、それを行なったのが公安警察であるという事実から、わたしたちは今回の逮捕が、いわゆる「デッチあげ」逮捕であると認識する。

わたしたちは、この文章を作成している今この瞬間、法政大学による人権抑圧がさらに強化され、実際にそれによって被害を受けている者が存在することに満腔の怒りをもって弾劾する。学生の諸権利はおろか、あろうことか学生の学籍を簒奪し(教育機関として許されない最低限の節度すらかなぐり捨てた愚行の極致である)、その上逮捕、起訴し、そして二名を今でも冷たい拘置所に拘禁している。しかし、今回、その上さらに3名の人々を基本的人権が著しく制限された代用監獄に公安警察と共謀のうえ監禁している。

学生の諸権利を、学籍を、人権を、そして3名が、それらのための活動を行なっているそのときに逮捕されたことを直視して諸個人の人間性の最低限の尊厳を、これらを踏みじることを、法政大学にこれ以上させてはならない。学生の人権と尊厳をこれ以上制限してはならない。3名への、2名への人権抑圧をこれ以上続けさせてはならない。警察行政は今すぐ3名を釈放せよ!法政大学は3名の釈放に尽力し、謝罪および補償を行なえ!

最後に、この文章をお読みになっているみなさんに訴えます。怒りを分有していただきたい。法政大学と公安警察に抗議していただきたい。広く知り合いにこの事実と不当性を広めていただきたい。そして、さまざまな立場と思想信条のちがい、心情をふまえつつ、救援活動への注目と支援を訴えます。

以上

20071017日 法大市民監視団

cmwhu2007@gmail.com